帽子のような照明「HAT lamp」をご紹介します。
この軽やかなアイディアに隠れた、 思いつきを信じてやり通すデザイナーの情熱を感じます。
照明の傘が帽子に見えるというところから発想された”帽子のような照明”です。
とてもユーモラスな形をしていますね。
風に吹かれてゆらゆら揺れているところを想像してしまいます。
形がキマれば道理がひっこむ。
軽やかな印象と同様、きわめて”軽いノリ”でできたデザインではあります。
冷静に考え出すと照明が帽子の形してると何がいいの?と思わなくもありません。
商品企画会議で上司が開口一番に言いそうなセリフですよね。
でもそんな指摘は野暮ってものです。すでに「おもしろい」と思えているのですから。
その魅力的な形がすべてを物語っています。
ときには”形がキマれば道理がひっこむ”、私はそう思いますし、これぞデザインの醍醐味ではないでしょうか。
思いつきを最後まで信じるのは難しい。
しかしながら、「これはおもしろい!」という、思いついたときの衝動を維持し続けるのは意外と難しいものです。
後から「これ…ホントにおもしろい?」「意味ある?」と思い始め、 ついつい 手が止まりがちです。
製品デザインはあらゆる側面で理性的、客観的であることを求められます。
ターゲットユーザーに響く内容か…
コストに見合うのか…
成型できる形か…
クライアントや上司を説得できるのか…………
しかし、アイディアを生むときは徹底的に主観的でポジティブシンキングする必要があります。
この相反するマインドを同居させなければならないところが、プロダクトデザイナーという仕事の難しいところだとしみじみ感じます。
どこに取り付けようか…
頭にかかりそうな高さに設置するのがふさわしいように思いますが、どのような空間ならそれが許されるのか、考えてみると結構難しい気もします。
私なら、玄関になら辛うじて導入できそうに思いますが、
みなさんならお家のどこに設置したいですか?
デザインしたのはソウル生まれ、ストックホルムで活動しているデザイナーMARS HWASUNG YOOです。